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『未修者コースから羽ばたく-社会人経験者-』第1回指澤慶子君(東京地方検察庁)

2018.02.22

 慶應義塾大学大学院法務研究科は、開校した2004年4月以降、未修者コースに多くの社会人を受け入れてきました。

 ここでは、社会人を経験して、塾大学院法務研究科を修了して、再び社会に羽ばたき、活躍する修了者を紹介していきます。



 まず記念すべき第1回は、2014年3月に塾大学院法務研究科を修了した指澤慶子さんをご紹介しましょう。

■ 本塾法科大学院入学までのご経歴を簡単に教えてください。


 慶應義塾大学文学部人間関係学科社会学専攻を卒業し,公務員の心理職・福祉職として主に働いてきました。


■ 本塾法科大学院に進学した理由,きっかけなどを教えてください。入学前の段階での,卒業後のキャリアについてのイメージも,合わせて教えてください。 


 大学を卒業する頃から,法律を勉強してみたいという思いがありました。けれども,心理職も面白かったので,それを深めようか,ずっと勉強したいと思っていた法律を学ぼうか,迷いながら働いていました。そのようにしている間に,司法試験の制度が変わり,法曹資格を得るためには法科大学院に行かなければならなくなり,文学部出身の私は,学校に通った方がかえってじっくり学べるのではないかと考え,進学することにしました。母校である,ということも魅力でした。
 法科大学院入学直前には,児童相談所で児童福祉司をしており,虐待やDVなど家族の問題に,法律家とも連携して取り組んでいく必要を痛感していました。そこで,弁護士として子どもの権利擁護などに携われたらと思っていました。

■ 現在のお仕事の概要を教えてください。
 

  東京地方検察庁で,新任検事として実務教育を受けています。一人前の検事として,一通りの仕事ができるよう,捜査や公判に携わっています。


■ どんなところにお仕事の魅力を感じますか。
 

 いろいろな立場の人から話を聞くのが難しいですが,興味深いと思っています。経験豊富な素晴らしい先輩たちから熱心な指導を受けられるのも,組織ならではの魅力だと思います。


■ 逆に,どのようなところにご苦労がありますか。

 話したくないことを話してもらわなければならないため,これまで私がいた現場での話の聞き方とは大きく違うと思っています。いろいろな立場の人と話をしなければならないので,とにかく経験を積んで早く一人前の検事になりたいと思っています。


■ ご自分のバックグラウンドは,現在のお仕事に生かせていますか。


 司法修習が始まる直前に,検察庁が福祉との連携などに熱心に取り組んでいることを知り,検事任官に興味を持ちました。
 実際に仕事をしてみて,直接的に役に立っているかどうかは分からないのですが,例えば障害があったり,福祉の対象だったりする人たちの生活の想像がついたり,その人にどんな機関が関わっているのかが,これまでの経験から分かることで,抵抗感なく事件に取り組めているのではないかと思っています。


■ 本塾法科大学院で学んでよかったこと,仕事の中で生かせていることなどについて教えてください。


 慶應義塾の法科大学院には,優秀な方たちが多く進学してくるので,司法試験を目指して勉強している時期にも刺激を受けました。また,卒業してからの周囲の活躍を聞くと,私も頑張らねばと思います。世代は違っても,一緒に夢を語れる友人と出会えたことや,卒業後も交流を続けられる素晴らしい先生方と出会えたことは,財産だと思っています。
 司法試験が終わった後,発表までの期間を利用してリサーチペーパーに取り組めるような仕組みがあったり,卒業後も,三田法曹会と法科大学院共催の研究会があったりと,単に司法試験のための受験勉強をする学校というのではなく,興味・関心に応じて,いくらでも知識や人のつながりを発展させていけるような素晴らしい環境だと思っています。


■ 5年後または10年後のご自身の将来像をお聞かせ下さい。


 まずは,検察官としての仕事を一人前にこなせるようになりたいと思っています。そのうえで,心理や福祉と関わりのある仕事もやってみたいと考えています。


■ これから入学を考えている社会人の皆さん,現在在学している社会人出身者の皆さんに,メッセージをお願いします。


 人生は1回ですし,もし,やってみたいと思っていることがあれば,自分から可能性を狭めてしまわず,挑戦してみていただきたいです。
 法律家が活躍できる未開拓の場面は,きっとまだまだあるのだろうと思います。さまざまなバックグラウンドのある社会人経験者のアイデアで,法曹がかかわることができる新たな分野を切り拓いていっていただけたらと考えています。


ありがとうございました。さらなるご活躍、期待しています。

(記載内容は掲載日のものです。また個人としての記載であり、所属する組織・団体を代表するものではありません。)

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