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【参加報告】ワシントン大学ロースクール"The Summer Institute in Transnational Law and Practice"

2015.10.26

ワシントン大学ロースクール夏期プログラムに参加された本学研究科修了生の

髙田祐貴さんの体験報告を掲載します。

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 本年9月4日から9月18日に開催されたワシントン大学ロースクールのサマープログラム(the University of Washington School of Law Summer Institute in Transnational Law and Practice)に参加する機会を頂きました。
 アメリカのロースクールには3年コースのJ.D.コースと留学生などが多い1年コースのLL.M.コースが存在しており、本プログラムはLL.M.コース開始前の導入前に英米法の基礎を学ぶ導入的なものとして位置付けられています。ワシントン州シアトルにあるワシントン大学ロースクールは全米ロースクールランキングでも上位のロースクールで全世界から法曹関係者が留学に来ています。
 私が本プログラムに参加した際には、全世界から法曹関係者だけでなく政府関係者も留学に来ており、多様な人材が集まっていました。慶應ロースクールからは4人が参加しました。

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 元来、私は海外志向の強い人間で、将来世界で活躍できるような弁護士になりたいと考えていました。そのため、ロースクール在学中も積極的に英語のみで行われる授業を履修したり、留学生と交流を深めていました。そして、司法試験受験後から合格発表までの間の時間を利用して短期留学をしようと考えていた時に昨年本プログラムに参加されていた先輩から話を聞き、本プログラムの存在を知り、興味を持ちました。将来的に海外のロースクールで学びたいと考えていたため、実際に留学をする前に経験としてアメリカのロースクールについて知っておくことは重要であると思い、本プログラムへの参加を決めました。
 本プログラムは2週間で、平日は朝から夕方まで授業がみっちりと詰まっています。もちろん全ての授業は英語で行われるため、最初は大変辛かったです。しかし、毎日授業の時だけでなく、授業外でも世界各国から来た仲間たちと交流をしていくうちにリスニング力を中心とした英語力が鍛えられ、次第に授業のスピードにもついていけるようになりました。最初は本場のソクラテスメソッドに対して少し恐怖を感じてしまい、あまり発言することが出来ませんでしたが、授業に慣れてくると積極的に発言できるようになり、2週間という限られた時間の中でも成長できたと思います。

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 授業の内容については、本プログラムがLL.M.コースの導入的なものであり、法体系の異なる全世界から留学生が来ていることから、シビルロー(日本・フランスなど)とコモンロー(アメリカ・イギリスなど)の違い等の基礎の基礎から授業が始まりました。また、コモンローにおいては判例が何よりも重要であるため、判例の読み方・まとめ方も最初に習いました。その他、憲法、民法のような私たちが今までに学んできた分野の授業が1コマずつあり、これからLL.M.コースに進む人にとっては非常に効率良く勉強がスタートできるようなカリキュラムであると思いました。さらに、個人的に面白いと思ったものとして、専門的な法律英語をクロスワードパズルを用いながら学ぶ時間が毎朝あり、楽しみながら学ぶことができました。また、フィールドワークとして、シアトルにある地方裁判所見学や、大手法律事務所見学(K&L Gates)の時間があり、普通の語学留学をしただけでは出来ないような体験が盛りだくさんでした。

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 休日は、学校の仲間たちとワシントン大学のアメリカンフットボールの試合やシアトルマリナーズの試合を観戦する等充実していました。日々の予習復習は大変でしたが、皆メリハリがあって休日はしっかり楽しんでいました。
 実際に海外のロースクールの授業を受けたという経験はもちろん貴重なものではあります。それだけでなく、今回の留学で知り合った全世界の法曹関係者・政府関係者たちとのネットワークは大変貴重なものであり、将来的に何らかの形で彼らと共に仕事をする時が来るかもしれないことを考えると、本プログラムに参加できたことは本当に幸運であると思います。また、実際に留学してみて慶應ロースクールの学生は全世界から来ている優秀な留学生たちにも負けていないと思いました。プログラムに参加したことで、自信がついただけでなく、将来の留学等のイメージもぼんやりしたものから、少しずつではありますが、はっきりとイメージができるようになった気がします。

 もし、将来の展望として世界で活躍したいと思っている、また、今まであまり海外に行った経験がなく世界を見てみたいというような気持ちがあれば、本プログラムに応募してみることをお勧めします。素晴らしい経験があなたを待っているはずです。
 この度、本プログラムに参加するにあたってご協力いただいた山元教授、マクリン教授、学事の皆様、両親、そして共に留学した慶應ロースクールの仲間に感謝したいです。誠にありがとうございました。


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