この度,慶應義塾大学大学院法務研究科におきましては, 大陸法財団(La Fondation pour le droit continental, Paris)からの 寄付金によって,フランス法特別講義を開講することとなりました。 その概要をお知らせいたします。
- 目的
21世紀におけるグローバリズムの潮流の中にあって、フランスを中心としたヨーロッパ諸国においても、西洋法を継受した日本においても、ローマ法以来の大陸法文化のよき伝統を承継し、さらにそれぞれの法圏における固有の法文化の発展を融合させて、新たな法秩序を形成することが重要な課題とされている。
今回開設することとなった「フランス法特別講座」は、国際性を開設理念の1つとして掲げる慶應義塾大学大学院法務研究科における21世紀の国際社会を先導する法曹の養成に寄与するとともに、同研究科を拠点として、日本およびフランスの法律家の相互協力を深めることによって、大陸法文化の普及および発展を図ることを目的とする。
- 期間
平成20年4月1日から平成23年3月31日まで,計3年間継続するものとし,その後の延長については、慶應義塾大学大学院法務研究科および大陸法財団の間で3年間の実施状況を勘案して検討する。
- 寄付金額
3万ユーロ/年
- 活動
講座は、毎年度ごとに、大陸法文化の特徴を際だたせかつ日本の法律家が関心を持つことができる全体テーマの下に開講される。全体テーマは、慶應義塾大学大学院法務研究科および大陸法財団の合意によって決定する。 全体テーマは4つの小テーマに分かれ、フランスまたはその他の大陸法国で教鞭をとる4名の教授が各々2回の講義を行なう。4名の招聘教授は、慶應義塾大学大学院法務研究科および大陸法財団の合意によって決定するものとする。招聘教授の中の1名は、一般公開講演会を行なう。
講義は、春学期または秋学期に行なう。 本講義は、法務研究科の正規授業科目(展開・先端科目)として実施するが(1単位:「フランス法特別講義(大陸法財団寄附講座)」)、他研究科・他大学の学生や研究者にも広く公開される。(※聴講方法等の詳細は9月末までに、こちらのHPにてお知らせいたします。)
講義および講演は、日本およびフランス両国において公刊する。
- 第1期(平成20年度) 講義概要
全体テーマは『法と経済』とする。
- 学生授業料補助
本講座の趣旨から,広く学生の受講を促すため,授業料に対して補助を行なう(受講生の人数により全額または半額の補助を予定している)。これは奨学金に準じる性質を有するものであるから、授業料の補助を受ける学生については、今後の日仏法文化交流の目的のために、慶應義塾大学大学院法務研究科からその氏名ならびに住所を大陸法財団に対して報告する。この件についての各学生の事前承諾が当該学生に対する授業料補助の条件となる。
- コーディネーター
本講座は、慶應義塾大学大学院法務研究科に設置し、同研究科教授・金山直樹がコーディネーターを務める。